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2021年10月5日(火)
「グリーン投資の促進に向けた気候関連情報活用ガイダンス2.0(グリーン投資ガイダンス2.0)」を公表しました。
2021年10月5日、TCFDコンソーシアムは「グリーン投資の促進に向けた気候関連情報活用ガイダンス2.0(グリーン投資ガイダンス2.0)」(以下、「グリーン投資ガイダンス2.0」)を公表しました。
本ガイダンスは、2019年10月に作成した「グリーン投資の促進に向けた気候関連情報活用ガイダンス(グリーン投資ガイダンス)」を改訂したものです。
TCFD提言に基づく開示は質・量ともに進展しつつある中で、今後さらにグリーン投資を促進していくため、初版公表以降の重要な進展を本論に反映するとともに、新たに「補論」を設け、投資家等が開示情報を理解するにあたり重要と思われるトピックやイニシアティブについて解説を行っています。
本ガイダンスにより、投資家等が開示情報を読み解く際の視点が提示されると同時に、本ガイダンスを通じて投資家等の視点に対する企業側の理解が深まることも期待されます。
1.改訂の背景
本ガイダンスの改訂は、初版が公開された2019年10月以降の約2年間で起こった3つの主要な進展を踏まえています。
- ・ 社会的課題の進展:カーボンニュートラルの達成が多くの国、企業の目標となりつつあり、その達成には、大規模な移行(トランジション)、大幅な技術進歩(イノベーション)が必要となることを受けて、エンゲージメントの重要性もが一層高まっています。
- ・ 金融行動の進展:間接金融を含む投資家等の投融資ポートフォリオの排出削減を掲げる動きが活発化する中で、長期にわたるエンゲージメントを通じて、投融資先の気候変動対応を促すことが求められるようになっています。
- ・ 開示の進展:コーポレートガバナンス・コードの改訂などによる開示企業の急増や、インターナル・カーボンプライシングの活用、Scope3の重要性の高まりなどを通じた開示内容の進展に伴い、投資家等は企業活動に対する重要性(マテリアリティ)の考慮も求められるようになっています。
2.ガイダンスの構成
今回の改訂にあたり、新たに第4章に補論を設け、ガイダンスを本論と補論の2部構成としています。
本ガイダンスの構成
【本論】
ガイダンス初版と同様に、日本における気候変動に関する企業と投資家等のエンゲージメントに関する議論について記載しています。改訂の内容は、初版公表以降の企業と投資家等との「環境と成長の好循環」をさらに進展させるための重要な視点を反映しています。
【補論】
本論で取り扱うには現時点ではまだ議論が必要なテーマを取り上げています。具体的には、カーボンプライシングやトランジション・ファイナンスなど、投資家等が開示情報を理解するにあたり、今後さらに重要性が増すと考えられる観点からトピックを選択しました。補論の活用方法としては、企業と投資家双方での課題認識を深めていくことを想定しており、各トピックの冒頭に現時点での投資家等の視点や課題認識を示しています。
3.今後の方向性
補論で記載されている内容は、今後変化していくことが想定されることから、実情に応じて改訂することを想定しています。